ストレングスファインダーを知っていますか
今、大学のキャリアカウンセリングでホットワードとなっているのがストレングスファインダーです。
ストレングスファインダーとは、アメリカの調査会社「Gallup」が開発した、自己分析ツールのひとつです。
ストレングスファインダーでは、人間が持つ5000の才能を34のカテゴリに分類し、性格診断テストの結果をもとにして被験者がどのような性格特性を持っているか、どのような方面に強みを持っているか、ということをパラメータとして提示します。
……と、もっともらしく解説していますが、僕もつい最近まで「ストレングスファインダー」のことをまったく知りませんでした。
そして、ストレングスファインダーについて大学の友達から聞かされた後も、正直、「何じゃこりゃ?」と思っています。
「ストレングス=強み」、「ファインダー=見つける」ということですから、自分の強みを見つけるためのツールであることは何となくわかるのですが、これだけだとよくある性格診断ツールと変わらないような気もします。
キャリアカウンセリングに詳しいコンサルタントは、「ストレングスファインダーはあくまでも性格診断ツールであって、適職診断ではない」と言っていますが、これも納得できません。
向いている職業がわからないのなら就活前の貴重な時間を使ってテストを受けようとは思わないし、たんなる性格診断ツールにしては情報が細かすぎます。
ストレングスファインダーについついケチをつけたくなる僕は、時代遅れなのでしょうか。
自己分析はいらない?
これからの時代、自己分析と就活はますます不可分になっていくでしょう。
けれど、だからこそ言わせてください。
自己分析なんてもういらないのではないか、と。
就活前のキャリアカウンセリングの波に飲まれて、どんどん自分を見失い、就活からドロップアウトしてしまった友達を何人も知っています。
自己分析の皮肉
自己分析を熱心につづけるあまり、自分自身がわからなくなってしまう。
何という皮肉でしょう。
自己分析をすれば幸せにたどり着けるのですか?
自己分析がなかった時代、「ただ何となく」という理由で一生の職業を選んだ人の人生は何の意味もないのですか?
自己分析を通して本当の自分を見つけるんだ、と息巻いていた友達は数か月後、灰色のリクルートスーツに身を包んで茶髪を黒に戻し、そこそこの中堅企業に就職していきました。
ストレングスファインダーで見つかるのは結局、「企業の歯車になれる才能」なのかもしれません。
自己分析に溺れないで!
ストレングスファインダーも、使い方次第では有効な自己分析ツールになりますが、一方で振りまわされるリスクもあります。
少なくとも僕は、自己分析ツールとほどよい距離感を取りつつ、就活をマイペースに進めていきたいと思っています。